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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第18章 神の祈り


「これは──

どうやら、我らを生きてここから返すつもりもないらしい…」

なぞった木の切り口から黒い樹液が滲む…


手に付いた樹液の手触りを確かめるように、指先を擦り合わせ眉を潜める。

酋長の目には気味の悪い光景が映し出されていた。

ナイフで傷付けた切り口から黒い血の様に樹液が溢れ、その樹液は流れ落ちる間もなく幹に吸い込まれていく…
跡形もなく消えた黒い樹液。

そして、その切り口もきれいさっぱり消えていた……




「何もかもが無駄なあがきだというのかっ…」

噛み締めたドワンの唇から悔し気に声が漏れる…

「とにかく、
今日はこの場で夜を明かす。日没までに今夜の食糧を手に要れられるよう動く。今の我らにはその道しかないのだ…いいな…」


狩りに出払う者がはぐれぬように、目印代わりに見張りの仲間を残し男達は餌を求めた。

食糧の減り続ける村では、残してきた女、子供、民達が皆の無事を祈っている…

何が何でも生きて帰らねば――

東の地へ無事に到達し、これから先、命をどうやって紡いでいくか解決策を見出し皆が待ってる村に帰らねば、やがては廃れてしまう…

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