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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第18章 神の祈り
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ホウホウと梟の鳴き声が辺りでしている…
小さな小屋の入り口は白い布で覆われ、室の隅ではお香が焚かれている。
百檀(びゃくだん)の神聖な香りが隅々まで行き渡っていた。
「もう少し、月が出ていれば…」
「仕方ないことじゃ…
月は浄化の力も強めるが、悪の目覚めも誘う…」
朧雲に覆われぼんやりと弱い光りを放つ月を、小窓から見上げる未夢に妃奈乃はそう諭した。
雨と曇りの日が続き、空気自体も湿りをおびている…
「この地も神に守られてはいるようじゃが…未々、力が弱いようじゃ…」
呟くと妃奈乃は百檀の木で作られた狐の面を着け、それをクルッと後ろへ回した。
未夢も同じ姿で支度を整えると二人で座禅を組み、魔鏡を挟んで向かい会った。
二人を囲むように四隅に立てられたロウソクの炎が妖し気に揺らぐ…
片手には数珠。もう片手には小さな鈴を下げ、二人は呼吸を合わせ経を読み上げた。
チリーン… チリーン…
「お…始まったみてえだな」
鈴の音がぬるい風に乗ってレオの室まで届いていた…
相変わらず親方と酒を酌み交しながら、レオは何かを彫っている。
ホウホウと梟の鳴き声が辺りでしている…
小さな小屋の入り口は白い布で覆われ、室の隅ではお香が焚かれている。
百檀(びゃくだん)の神聖な香りが隅々まで行き渡っていた。
「もう少し、月が出ていれば…」
「仕方ないことじゃ…
月は浄化の力も強めるが、悪の目覚めも誘う…」
朧雲に覆われぼんやりと弱い光りを放つ月を、小窓から見上げる未夢に妃奈乃はそう諭した。
雨と曇りの日が続き、空気自体も湿りをおびている…
「この地も神に守られてはいるようじゃが…未々、力が弱いようじゃ…」
呟くと妃奈乃は百檀の木で作られた狐の面を着け、それをクルッと後ろへ回した。
未夢も同じ姿で支度を整えると二人で座禅を組み、魔鏡を挟んで向かい会った。
二人を囲むように四隅に立てられたロウソクの炎が妖し気に揺らぐ…
片手には数珠。もう片手には小さな鈴を下げ、二人は呼吸を合わせ経を読み上げた。
チリーン… チリーン…
「お…始まったみてえだな」
鈴の音がぬるい風に乗ってレオの室まで届いていた…
相変わらず親方と酒を酌み交しながら、レオは何かを彫っている。