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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第18章 神の祈り
ロイドに貰ったチョーカーの上から重ね付けされたそれを手にすると、アルはまじまじと見つめる。
つるりとした手触りの木を丁寧に削り、表面にはヤスリをかけてある。アルの手にすっぽりと収まるそれは手作りの木笛のようだった。
笛を眺めてとりあえず礼を言うとアルはレオを見上げた。
アルに見つめられてちょっと照れ臭そうに笑うと、しっとりとしたアルの頬にレオは手を伸ばす。
「まだちゃんと言ってなかったからな…」
「……?」
そう言ってはにかんだ顔を引き締めると真剣な眼差しをアルに向ける。
レオは目を細め、アルの頬を両手で包んだ。
「事が片付いたら山で一緒に暮らそう…」
「―――…」
驚く程に穏やかな微笑みをアルに向ける。
「一人が嫌だってんならチビ達も連れて行けばいい…」
レオの静かな囁きが、アルの心に優しく揺さぶりをかける…
「山は楽しいぜ…
酒呑んで踊って歌って…
毎日お前が笑って居れるようにしてやるから…
アル……俺と結婚してくれ」
――――!…レ、オ…
初めて聞いたような柔らかな声。レオは放心しているアルを厚い胸に抱きしめて、瞳を伏せた。