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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第19章 滅びの道
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厚い本を開き、神獣の図解を眺めて興奮度を高めていたティム達も、隊長補佐の言葉に顔を上げた。
「昨夜…色々と進展があったようで、今朝は早くから城の兵士達は今回被害を受けた南の地と西の地への救援のために総動員で取り掛かかっています。その為、城の警備を我々が担うことになったので街の警護を疾風迅雷と東尋坊の当主二人に協力していただくことに…」
「協力って…」
警護というよりは民達を脅しているように見えるんだけど…
警護して回る人相の悪い当人達の前を、目を合わさぬようにそそくさと歩く民をアルは目で追った。
「彼らはよほど何かない限り、一般人に手出しはしませんからその辺は民達には少し我慢してもらわないと…」
隊長補佐は溜め息混じりで重苦し気に口を開く。
「よその国がこれだけ大騒ぎになってる中、まだ我らの国は恵まれてます。最近頻繁に機密の国会議が開かれることに薄々何かあると感じてはいましたが…この大事が我々、精鋭部隊に知らされたのもつい今朝のこと…なので、民達はまだ何も知りません」
低く語る声にアルは深く頷いた。
厚い本を開き、神獣の図解を眺めて興奮度を高めていたティム達も、隊長補佐の言葉に顔を上げた。
「昨夜…色々と進展があったようで、今朝は早くから城の兵士達は今回被害を受けた南の地と西の地への救援のために総動員で取り掛かかっています。その為、城の警備を我々が担うことになったので街の警護を疾風迅雷と東尋坊の当主二人に協力していただくことに…」
「協力って…」
警護というよりは民達を脅しているように見えるんだけど…
警護して回る人相の悪い当人達の前を、目を合わさぬようにそそくさと歩く民をアルは目で追った。
「彼らはよほど何かない限り、一般人に手出しはしませんからその辺は民達には少し我慢してもらわないと…」
隊長補佐は溜め息混じりで重苦し気に口を開く。
「よその国がこれだけ大騒ぎになってる中、まだ我らの国は恵まれてます。最近頻繁に機密の国会議が開かれることに薄々何かあると感じてはいましたが…この大事が我々、精鋭部隊に知らされたのもつい今朝のこと…なので、民達はまだ何も知りません」
低く語る声にアルは深く頷いた。