この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第19章 滅びの道
今朝ティムを迎えに行くと、入れ違いでルイスに呼び出されアル達と三人で遺跡に向かったとユリアから知らされた。
自分も行って見ようかと一瞬思いもしたが、ティムの言う通り“馬は生き物”
朝一番の水汲みと餌は例え這ってでも行かねばならぬほど、大事な仕事でもある。
「…んっ…ほうだったっ! 兄ちゃんにも報告しなきゃなっ」
口から零れ落ちそうなパイを手で押さえながらティムは言う。
「昨日、勇者が見付かったんだっ」
「……―――なにっ!?」
「しかも二人っ」
「マジにか!?」
目を見開くロイドを見ながら頷くとティムはあーん、とまたパイにかぶりついた。
「誰だったんだそれは!?」
追求するロイドにちらっと目をやると、ティムはいっぱいに頬張った口をもぐもぐと動かしてぐっと飲み込む。
「…っんぐ…っしかも! その勇者がルイ兄ちゃんと狼の兄ちゃんなんだって!!」
「ルイス!? と狼のって…レオのことか!?」
うんと頷いてロイドが用意してくれたお茶をティムは美味しそうに飲む。