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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び


久しぶりに上がった雨。晴天とまでは言えないが、昼間らしい明るさを取り戻したここルバールでは、民達の行動範囲が広がっていた。

警備の為に街を徘徊する強面の面子にも慣れたせいか、雨上がりの街中では濡れた道脇に荷物を広げる大道芸人達もちらほらと見える。

道に並ぶ露店では今度の週末の感謝祭で使われる彩り豊かな卵が売られていた。

長雨を受けた山岳の樹々は緑の葉を生き生きと輝かせ、時折雲から覗く日の光りを一身に受けようと懸命に葉を揺らす。


「ははっ大したもんだぜ…さすが、太陽の国と言われるだけはあるな」

ざわざわと風に游がされた緑が擦れ合い一緒に笑っているようだった。

昼前に疾風迅雷の根城に辿り着いたナジャの雄志達を室に迎え入れ、レオは豪快に笑っていた。

「今はその言葉も我々には喜べぬ…」

「ああ…そういやそうか…悪かったな」

酋長は詫びるレオに手の平を見せて気にするなとそれ以上の言葉を遮った。

太陽の国の大地の民。

ナジャ族は土から成る食物の繁栄をもたらしたと言われている。
それが今となってはどうだ?

燦々と照り続ける太陽に命を奪われかけている有り様だ。これでは誇るものも誇れない。


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