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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び
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久し振りに夕陽に染まる山の合間。男衆らの太い声に混じり、カタ──と下駄の音がした。
盃をあおり掛けた手を止めて御三方の頭領達が音のした入口を同時に振り返る。
「お、ババア腰は治ったか?」
「…ぬっ…腰なぞ痛めて居らぬわっこのこわっぱが!!…あ痛たたっ…」
「…ぶっ…無理すんじゃねえがや、バアさっ…っぐあ!?――っ、なんで儂だけっ…」
レオに続いて茶化したバルギリーに再び鉄の扇子が命中するっ!
バルギリーは涙ながらに訴えていた。
陽がくれてからやっと動けるまでに回復した妃奈乃は娘の未夢に腰を支えられながらレオ達の待つ室に現れた。
「フン! 相変わらず酒とむさ苦しい男の匂いのする室じゃ…」
「母様ったら!」
「ハハっ! 気にするな娘。ババアの憎まれ口は元気な証拠だ。やっと全員無事に揃ったんだ。俺様は何よりもこれからの話に時間を割きたい」
厭味をずけっと言って返す母を大焦りで止めた娘にレオは笑っていた顔を直ぐに引き締めて見せた。
そう、時間に時間を割いてきた…
もうこれ以上の無駄を掛けることは出来ない。
アルが絡んでいると分かった時点でレオの意気込みは相当な物になっている。
久し振りに夕陽に染まる山の合間。男衆らの太い声に混じり、カタ──と下駄の音がした。
盃をあおり掛けた手を止めて御三方の頭領達が音のした入口を同時に振り返る。
「お、ババア腰は治ったか?」
「…ぬっ…腰なぞ痛めて居らぬわっこのこわっぱが!!…あ痛たたっ…」
「…ぶっ…無理すんじゃねえがや、バアさっ…っぐあ!?――っ、なんで儂だけっ…」
レオに続いて茶化したバルギリーに再び鉄の扇子が命中するっ!
バルギリーは涙ながらに訴えていた。
陽がくれてからやっと動けるまでに回復した妃奈乃は娘の未夢に腰を支えられながらレオ達の待つ室に現れた。
「フン! 相変わらず酒とむさ苦しい男の匂いのする室じゃ…」
「母様ったら!」
「ハハっ! 気にするな娘。ババアの憎まれ口は元気な証拠だ。やっと全員無事に揃ったんだ。俺様は何よりもこれからの話に時間を割きたい」
厭味をずけっと言って返す母を大焦りで止めた娘にレオは笑っていた顔を直ぐに引き締めて見せた。
そう、時間に時間を割いてきた…
もうこれ以上の無駄を掛けることは出来ない。
アルが絡んでいると分かった時点でレオの意気込みは相当な物になっている。