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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び
・
「……つ…っ…飛ばされるなっ皆っ!」
「…くっ…何が起こるんだ一体っ!?……」
深く広い洞窟の中、隈無く暴れ狂う強風から逃れる術もなく神の使い達は必死に洞窟の壁にしがみつく。
強風は石像の欠片を削り取りながら黒い渦となり、洞窟の天井に位置する山頂に穴を開ける勢いで巻き上がる。
その風圧に煽られた石像。
風はまた一段と強さを増した。
「……!?…なんだあの音はっ」
ピシッと割れ音が風に乗って悲鳴のように聞こえてくる。
強い風に、まともに目を開けることも出来ず、薄めでその音を探り石像に目を向けると、石像はパシーンッと高い軋みを鳴らし、一瞬にして無惨にも砕け散っていった。
高い上空で砕けた神の石像…
欠片とはいい難い、砂に変わった残骸がサラサラと火山灰のように風に舞う。
散った石像と共に消え去った黒い強風。
筒状に開いた天井を見上げると夕陽に焼けた空が、吹き抜けの穴から丸い額に収められた絵画のように眺められる。
「…妃奈乃様……もう…無理です……我らの手にはもう…追えぬ…」
放心しながらぽつりと呟く…
そして辺りはまた…シーンと静まり返っていた…
「……つ…っ…飛ばされるなっ皆っ!」
「…くっ…何が起こるんだ一体っ!?……」
深く広い洞窟の中、隈無く暴れ狂う強風から逃れる術もなく神の使い達は必死に洞窟の壁にしがみつく。
強風は石像の欠片を削り取りながら黒い渦となり、洞窟の天井に位置する山頂に穴を開ける勢いで巻き上がる。
その風圧に煽られた石像。
風はまた一段と強さを増した。
「……!?…なんだあの音はっ」
ピシッと割れ音が風に乗って悲鳴のように聞こえてくる。
強い風に、まともに目を開けることも出来ず、薄めでその音を探り石像に目を向けると、石像はパシーンッと高い軋みを鳴らし、一瞬にして無惨にも砕け散っていった。
高い上空で砕けた神の石像…
欠片とはいい難い、砂に変わった残骸がサラサラと火山灰のように風に舞う。
散った石像と共に消え去った黒い強風。
筒状に開いた天井を見上げると夕陽に焼けた空が、吹き抜けの穴から丸い額に収められた絵画のように眺められる。
「…妃奈乃様……もう…無理です……我らの手にはもう…追えぬ…」
放心しながらぽつりと呟く…
そして辺りはまた…シーンと静まり返っていた…