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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び
・
山を囲んでいた消えていく暗雲の渦。
「……っ…なんということだっ」
突如吹き荒れた風を危ぶみ、自室から飛び出した宰相はその様子を目にし唖然とそう呟いた。
「神の従者なる者にあやつを止めることが出来るというのかっ…」
目を背けたくなる程のおぞましい形相。
邪念が何層にも重なり増大してしまった黒い邪悪な神。
何度も蘇生を繰り返しては光の神に封印され、現れた姿形はその又異形の成れの果て…
神の従者だと見つかった者はまだ、うら若き乙女だというのになんたることだっ…
宰相は重苦しい表情で回廊の手すりを握り閉め眉を潜める。
このままではっ………
「馬を出せっ! 直ぐに東に向かう準備をしろ!!」
宰相は回廊の至るところで見張りに立つ者達に向かって大声を張り上げた。
「さ、宰相様っ…妃奈乃様のお留守に彼方様までがこの国を離れてはっ…」
「公晏! そちも今のを見て居っただろう!?」
「ですが宰相様っ…」
「このままここにただ居るだけも出来ぬ!!」
声を聞き、駆け付けてきたお付きの公晏(コウアン)に宰相は猛猛しく声を荒げた。
山を囲んでいた消えていく暗雲の渦。
「……っ…なんということだっ」
突如吹き荒れた風を危ぶみ、自室から飛び出した宰相はその様子を目にし唖然とそう呟いた。
「神の従者なる者にあやつを止めることが出来るというのかっ…」
目を背けたくなる程のおぞましい形相。
邪念が何層にも重なり増大してしまった黒い邪悪な神。
何度も蘇生を繰り返しては光の神に封印され、現れた姿形はその又異形の成れの果て…
神の従者だと見つかった者はまだ、うら若き乙女だというのになんたることだっ…
宰相は重苦しい表情で回廊の手すりを握り閉め眉を潜める。
このままではっ………
「馬を出せっ! 直ぐに東に向かう準備をしろ!!」
宰相は回廊の至るところで見張りに立つ者達に向かって大声を張り上げた。
「さ、宰相様っ…妃奈乃様のお留守に彼方様までがこの国を離れてはっ…」
「公晏! そちも今のを見て居っただろう!?」
「ですが宰相様っ…」
「このままここにただ居るだけも出来ぬ!!」
声を聞き、駆け付けてきたお付きの公晏(コウアン)に宰相は猛猛しく声を荒げた。