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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び
・
「そんなっ…」
「あやつの力を見ただろう…あの成りならまだ完全な姿ではない筈だ…にしても、我が国が誇る大山を容易く射抜いた…
これ以上の力を蓄えてしまえばどうなるか………考えるだけで先は目に見えたも同じ。
妃奈乃様が何故にあの山に住まれ、毎日のように祈りを捧げていたか……今日、ようやっと分かった…
余もまだまだ浅い。妃奈乃様にこわっぱと呼ばれて然り」
宰相は目を伏せると唇を歪めてふっと笑う。
…邪悪な神。あやつが、闇の王として完全に蘇る前にっ―――
伏せた目を見開き宰相は前を見据えた。
みなぎる血潮。
鋭い眼差しに強い光が走る――
「宰相様っ…」
「案ずるな。妃奈乃様が居らぬゆえ、先に山の様子を余が見に行く。神の使いの者達と合流し、その後に東へ向かう。お前はその準備をしておくがいい…分かったな…」
「は、…はいっ!」
“不安を抱え、泣いてるだけでは前に進めぬ
何かをしなければ状況は変わらぬぞ”
ズタ袋のまま抱きかかえて馬に乗せられた。
その時に泣きじゃくる公晏に宰相が言った言葉。
公晏はそれを思い出し、きっと顔を上げて返事を返した。
「そんなっ…」
「あやつの力を見ただろう…あの成りならまだ完全な姿ではない筈だ…にしても、我が国が誇る大山を容易く射抜いた…
これ以上の力を蓄えてしまえばどうなるか………考えるだけで先は目に見えたも同じ。
妃奈乃様が何故にあの山に住まれ、毎日のように祈りを捧げていたか……今日、ようやっと分かった…
余もまだまだ浅い。妃奈乃様にこわっぱと呼ばれて然り」
宰相は目を伏せると唇を歪めてふっと笑う。
…邪悪な神。あやつが、闇の王として完全に蘇る前にっ―――
伏せた目を見開き宰相は前を見据えた。
みなぎる血潮。
鋭い眼差しに強い光が走る――
「宰相様っ…」
「案ずるな。妃奈乃様が居らぬゆえ、先に山の様子を余が見に行く。神の使いの者達と合流し、その後に東へ向かう。お前はその準備をしておくがいい…分かったな…」
「は、…はいっ!」
“不安を抱え、泣いてるだけでは前に進めぬ
何かをしなければ状況は変わらぬぞ”
ズタ袋のまま抱きかかえて馬に乗せられた。
その時に泣きじゃくる公晏に宰相が言った言葉。
公晏はそれを思い出し、きっと顔を上げて返事を返した。