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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び
・
窓から見える山に夕陽が半分掛っていた…
妃奈乃の指差す先を見つめたまま、レオは何かに耳を澄ませている。
「──……」
………泣いてる…
バルギリーはレオの肩を叩いて顔を覗いた。
「どうしたレオ?」
「今、……」
「さすがだレオ。お前にも聞こえたか…」
「ああ、山の叫びに混じって泣いてる声が聞こえてきやがったが…なんだありゃ?」
「我にも分からぬ……我が耳にしたのは精霊の声…妃奈乃の言うのはあれのことか?」
カムイは妃奈乃に尋ねた。
「““神の結界が破られた…””」
窓から望める山向こうの北の空を指差したまま、妃奈乃はすーっと足音も無く窓枠に近寄る。
「““天地を侵す邪悪な魂は解き放たれ、絶大な暗黒の王と成るべく力を求めさ迷う…””」
取り憑かれたような無表情。いつもとは違う音域で言葉を紡ぐ。
室の中で急な風が巻き起こり、妃奈乃の黒く長い髪がふわふわと拡がり宙を漂うと、
「““止めねばならぬっ””」
「―――…っ!?」
瞳孔がカッと開き、眼光から眩い銀色の輝きが放たれた。
真の力
神の生まれ変わりと呼ばれる由縁。
窓から見える山に夕陽が半分掛っていた…
妃奈乃の指差す先を見つめたまま、レオは何かに耳を澄ませている。
「──……」
………泣いてる…
バルギリーはレオの肩を叩いて顔を覗いた。
「どうしたレオ?」
「今、……」
「さすがだレオ。お前にも聞こえたか…」
「ああ、山の叫びに混じって泣いてる声が聞こえてきやがったが…なんだありゃ?」
「我にも分からぬ……我が耳にしたのは精霊の声…妃奈乃の言うのはあれのことか?」
カムイは妃奈乃に尋ねた。
「““神の結界が破られた…””」
窓から望める山向こうの北の空を指差したまま、妃奈乃はすーっと足音も無く窓枠に近寄る。
「““天地を侵す邪悪な魂は解き放たれ、絶大な暗黒の王と成るべく力を求めさ迷う…””」
取り憑かれたような無表情。いつもとは違う音域で言葉を紡ぐ。
室の中で急な風が巻き起こり、妃奈乃の黒く長い髪がふわふわと拡がり宙を漂うと、
「““止めねばならぬっ””」
「―――…っ!?」
瞳孔がカッと開き、眼光から眩い銀色の輝きが放たれた。
真の力
神の生まれ変わりと呼ばれる由縁。