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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第20章 暗黒の叫び
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────
「グレーバンさん! お届け物です」
「はい?」
空の主役が太陽から月に入れ変わる、そんな時間。
グレーバン家の前に一台の馬車が止まり、大きなリボンのついた箱を抱えた男が扉をノックしていた。
家の中から品の良さげな女性が顔を出す。
それはロイドの母親だった。
「何かしらこれは? プレゼント?」
「ええ、こちらの御子息に頼まれて…」
婦人服専門の仕立て屋の店主からのお届け物。
母親はプレゼントを受け取ると顔を嬉しそうに綻ばせた。
「…私にかしらっ」
「あっ違いますよ!」
「――っ!…」
喜びのあまり、リボンに手を掛けようとした母親から男はプレゼントの箱を慌てて取り上げた。
「ガールフレンドにデート用にプレゼントするんだって…
直接お届けしますかって言ったら、自分で届けたいから仕上がったらこちらの方へと…」
「んまっ…嫌な感じ…先にそう言って頂きたいわっ」
「す、すみません…」
ガールフレンドにプレゼントだなんて……
申し訳なさそうに詫びる店主を前に母の心は穏やか成らず…
一時期は男色に走ったかと心配したが、ちゃんとした相手も居たのかと安心しながら、何故だか複雑な気分だ。
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「グレーバンさん! お届け物です」
「はい?」
空の主役が太陽から月に入れ変わる、そんな時間。
グレーバン家の前に一台の馬車が止まり、大きなリボンのついた箱を抱えた男が扉をノックしていた。
家の中から品の良さげな女性が顔を出す。
それはロイドの母親だった。
「何かしらこれは? プレゼント?」
「ええ、こちらの御子息に頼まれて…」
婦人服専門の仕立て屋の店主からのお届け物。
母親はプレゼントを受け取ると顔を嬉しそうに綻ばせた。
「…私にかしらっ」
「あっ違いますよ!」
「――っ!…」
喜びのあまり、リボンに手を掛けようとした母親から男はプレゼントの箱を慌てて取り上げた。
「ガールフレンドにデート用にプレゼントするんだって…
直接お届けしますかって言ったら、自分で届けたいから仕上がったらこちらの方へと…」
「んまっ…嫌な感じ…先にそう言って頂きたいわっ」
「す、すみません…」
ガールフレンドにプレゼントだなんて……
申し訳なさそうに詫びる店主を前に母の心は穏やか成らず…
一時期は男色に走ったかと心配したが、ちゃんとした相手も居たのかと安心しながら、何故だか複雑な気分だ。