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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第21章 嘆きの報復


「大王様、今こそ国を上げて立ち上がるべき時でございましょう! 我々には最早その道しかございませぬ…」

男は大王をしかと見つめた。静かに決断を迫る瞳が大王に何かを覚悟させるかのようでもある。大王は目の前の男を真っ直ぐに見据え、王座の肘掛けに置いた手にグッと力を入れた。


「………セラス、お前に総ての指揮を任そう。直ぐにルバールへ出向き我が国の為、しいては世界の為に―――力を尽くせ!」

「御意!」

若くして才知溢れる青年。

セラス・オルガ

セラスは透った声で返事を返した。
深いグリーンの瞳はジャワールの太陽の軍神と称され崇められている守り神、ネフェト神の像と同じ輝きを放っている。

クセのある肩までの真っ黒な髪を金細工のカチューシャで後ろに流し、すっきりと出された小麦色の額は品のいい顔立ちを惜し気もなく際立たせていた。

年老いたキエラ大王に代わり数々の王の職務をこなして来た彼は頬に笑みを浮かべ白い歯を見せる。

「大王様、この国の、この世界のために私の命、尽くしましょう」


「うむ…嬉しい言葉だ……だが無理はするなセラス。先に逝かなければならぬ者を置いて行く事ほど罪なことはない……」

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