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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第21章 嘆きの報復


「お前に何かあったならワシは己の身体の不自由さを死ぬまで悔やみ続けるであろうからな…」

キエラ王の優しい言葉にセラスは目を伏せて微笑んだ。

国と民を心から愛し慕われ続けてきた年老いた王。大王の宮殿には高い塀も垣根もなく、民達が自由に訪れ王に会いに来る。

民一人の死にさえも涙を流す王の心の優しさにセラスは胸を打たれ、王の元で自ら進んで尽力を出せるのだから。

セラスは小さく頷くと直ぐに東の国、ルバールへ向かう支度を始めた。

我が国も一刻を争う状況下。平和な国に兵士の数はそう居らず、民から志願の兵を募る余裕もない。

ならば己れの身ひとつを捧げるくらいの気持ちで出向かねばと、セラスは気を引き締めた。


神の従者と呼ばれる少女…

一体、どのような少女なのだろうか………


理不尽だがそちらへの興味もそそられる。


熱帯の国。日避け用に白装束の衣服を頭からすっぽりと被るとセラスは馬の背に跨った。

先ずは機動力の高いルバールの船が着く港を目指す。往復を繰り返す船に乗れば東の大陸への道は早い。

馬の腹に軽く蹴りを入れると、セラスを乗せた馬は砂煙りを巻き上げいっそうと長い脚の動きを速めるのだった。


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