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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第21章 嘆きの報復
・
◇◇◇
「何か進展はあったか?」
「いえ…未だ三人目の勇者は現れず…と言った所です」
神の降りる泉の前で、張られたテントの中、待機していた上司に尋ねられ精鋭の副長はそう応えていた。
湖に浮かぶ遺跡に足を踏み入れられる者―――
すなわち“選ばれし勇者”
その存在を見極めるための作業は延々と続けられている。
ルイスはふう、と長い溜め息を付いて手の平を見つめた。
何故か分からぬがずっと手の平が嫌な熱を持つ。
そして妙な胸騒ぎも………
「顔色がすぐれないようですね…少し休まれては?」
「ああ、もう少ししたら城に戻る…」
ルイスはそう返しながら疼く右の手の平を反対の指でなぞった。
表面は熱くもないのに中からは痛みにも似た熱が沸いている。
何だか嫌に胸を急く痛みだ。
今までに感じたことのない不安がルイスを襲う。
石が何かを伝えようとしているのだろうか?
一体今度は何が起こるのか………
先が全く予想もつかない。手の打ちようもない焦りと不安。
「少し……外の空気を吸ってくる」
ルイスはそう言って重い腰を上げた。
◇◇◇
「何か進展はあったか?」
「いえ…未だ三人目の勇者は現れず…と言った所です」
神の降りる泉の前で、張られたテントの中、待機していた上司に尋ねられ精鋭の副長はそう応えていた。
湖に浮かぶ遺跡に足を踏み入れられる者―――
すなわち“選ばれし勇者”
その存在を見極めるための作業は延々と続けられている。
ルイスはふう、と長い溜め息を付いて手の平を見つめた。
何故か分からぬがずっと手の平が嫌な熱を持つ。
そして妙な胸騒ぎも………
「顔色がすぐれないようですね…少し休まれては?」
「ああ、もう少ししたら城に戻る…」
ルイスはそう返しながら疼く右の手の平を反対の指でなぞった。
表面は熱くもないのに中からは痛みにも似た熱が沸いている。
何だか嫌に胸を急く痛みだ。
今までに感じたことのない不安がルイスを襲う。
石が何かを伝えようとしているのだろうか?
一体今度は何が起こるのか………
先が全く予想もつかない。手の打ちようもない焦りと不安。
「少し……外の空気を吸ってくる」
ルイスはそう言って重い腰を上げた。