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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第21章 嘆きの報復
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「ティム…今日は早めに仕事を上がろうか…俺も他に用があるから」
握った拳を緩めるとティムの頭を撫でる。ロイドは見上げるティムに向けてほんの一瞬やるせない笑みを浮かべた。
アルを想うがあまりに突っ走り過ぎるから…
神は俺を認めなかったのだろう…
つい暴走してしまう自分をロイドは振り返り溜め息をつく……
次に勇者に選ばれるのは一体誰なのだろうか?
ロイドは諦めきれぬまま、ティムと二人で馬小屋の仕事に手を付けていた。
薄暗く西に日が傾き掛けた刻を知る頃…
東の山の向こうで不気味な雷鳴が轟いていた…
渇いた空気。黒い空の正体は水分ひとつも含まぬ暗雲の塊。
「とうとう来おったか………」
高い頂きにある一軒家から遠くを見つめると、師匠は珍しく厳しい面持ちでそうぽつりと呟いていた――
我の世界…
もうすぐ…
もうすぐもどる………
なにもなかった美しい世界に…
人間の存在しない
美しい世界に…
我は今こそ還る………
ずっと願っていた
忌まわしき憎悪となっても神はずっと願っていた
還る場所 在るべき場所へ
神はずっと願っていた──
「ティム…今日は早めに仕事を上がろうか…俺も他に用があるから」
握った拳を緩めるとティムの頭を撫でる。ロイドは見上げるティムに向けてほんの一瞬やるせない笑みを浮かべた。
アルを想うがあまりに突っ走り過ぎるから…
神は俺を認めなかったのだろう…
つい暴走してしまう自分をロイドは振り返り溜め息をつく……
次に勇者に選ばれるのは一体誰なのだろうか?
ロイドは諦めきれぬまま、ティムと二人で馬小屋の仕事に手を付けていた。
薄暗く西に日が傾き掛けた刻を知る頃…
東の山の向こうで不気味な雷鳴が轟いていた…
渇いた空気。黒い空の正体は水分ひとつも含まぬ暗雲の塊。
「とうとう来おったか………」
高い頂きにある一軒家から遠くを見つめると、師匠は珍しく厳しい面持ちでそうぽつりと呟いていた――
我の世界…
もうすぐ…
もうすぐもどる………
なにもなかった美しい世界に…
人間の存在しない
美しい世界に…
我は今こそ還る………
ずっと願っていた
忌まわしき憎悪となっても神はずっと願っていた
還る場所 在るべき場所へ
神はずっと願っていた──