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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第21章 嘆きの報復
・
相変わらずの堂々とした素振り。王に向かってたてつく粗野な言葉もいつも通り。
だが、今はそこに頼もしささえ感じる。
目の前に並ぶ四方の長達と向かい合い、ブランデール国王はレオにたしなめられ笑みを浮かべた。
「ここには神の力が集められている。だがまだ不十分…」
「不十分…」
妃奈乃の呟くような声を耳にして王も同じ言葉を呟き顎に手を添えた。
クラディウス老師はその隣で目を閉じて聞いている。
北の白き神の生まれ変わり。そう呼ばれる妃奈乃の言葉――
その一句々が重く、背中を打ち付けられている気さえしてくる。
「闇の王の封印は解かれた…
だがまだそれだけのこと。しかしあの、おぞましきものの力は計り知れない。
本当の力を手に入れてしまえば最早人類に残された道は一つのみ…と言えよう」
「て、訳だ――」
レオは静まりかえる室内でパンっ!と手を打つ。そう仕切った直後に会議室の扉が叩かれた。
「――国王様、精鋭隊長がお戻りになりました」
国王の返事を待たずに扉がバタンと開いた。
ルイスは扉の前で敬礼する。
「只今戻りました」
「うむ、悪いが会議は始めさせてもらった。お前も席に着くがいい」
相変わらずの堂々とした素振り。王に向かってたてつく粗野な言葉もいつも通り。
だが、今はそこに頼もしささえ感じる。
目の前に並ぶ四方の長達と向かい合い、ブランデール国王はレオにたしなめられ笑みを浮かべた。
「ここには神の力が集められている。だがまだ不十分…」
「不十分…」
妃奈乃の呟くような声を耳にして王も同じ言葉を呟き顎に手を添えた。
クラディウス老師はその隣で目を閉じて聞いている。
北の白き神の生まれ変わり。そう呼ばれる妃奈乃の言葉――
その一句々が重く、背中を打ち付けられている気さえしてくる。
「闇の王の封印は解かれた…
だがまだそれだけのこと。しかしあの、おぞましきものの力は計り知れない。
本当の力を手に入れてしまえば最早人類に残された道は一つのみ…と言えよう」
「て、訳だ――」
レオは静まりかえる室内でパンっ!と手を打つ。そう仕切った直後に会議室の扉が叩かれた。
「――国王様、精鋭隊長がお戻りになりました」
国王の返事を待たずに扉がバタンと開いた。
ルイスは扉の前で敬礼する。
「只今戻りました」
「うむ、悪いが会議は始めさせてもらった。お前も席に着くがいい」