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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け


「この調子じゃ柵がもたないかもしれん。…ティム、丸太を持ってくるからティールには近づくな」

丸太の柵に向かって体当たりを始めたティールに怯えながら黙って頷き返すとティムは小屋を出て行くロイドを見送った。


なんでこんなことするんだろう


綺麗な白銀の毛並に赤い血が滲んでいく。

蹴り続けたお陰で丸太の表面がささくれ、ティールの肌を傷つけ始めていた。


「ティールッ…ティールやめろよっ…」


離れた位置からおろおろしながらティムはティールに向かって叫び続けた。


◇◇◇

「こりゃあ本格的に降り始めたな……どうだ、久々に見る天からの恵みは?」

城の渡り廊下を歩きながら庭を眺め、レオはカムイの肩を叩いて笑った。

「なんとも言えん…

降って欲しいのはここではなく我等の大地に、だ。過剰な雨もまた災難を招く。お前の山も崩れるかもしれんぞ」


「チッ、嫌なことを言いやがるぜっ」

カムイの苦言にレオは舌を打った。

ルイスは後ろで騒ぐ皆を連れて役所に足を向けていた。

城のどこかに居るはずのアルを探すには役所に出向き、アレンに尋ねたほうが手っ取り早い。


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