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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け


「ババア!? 大丈夫か!! チッ…くそっ! 意識が飛んでやがる!」


とっさに抱き止めた妃奈乃を膝に抱え、レオは蒼白い頬を何度も叩き呼び掛けた。白き神の生まれ変わり。そう呼ばれる妃奈乃の予言する姿を初めて目の前にしたルイスは息を飲む。


「なんと言うことだ…っ…早く従者の元へ急がねば!!」

「ああ!」

ルイスはカムイの声を聞いて直ぐに走り出した。

渡り廊下から雨の降り頻る庭に飛び出すとルイスは塔の上に向かって合図を送り、大声で叫ぶ。

「緊急だ!! 警鐘を鳴らし直ぐに全員配置につけ!! 城門を固め、警戒を怠るな!! わかったか!!」

精鋭隊長の緊迫した声が城中に響き渡る。

見張り搭に常駐していた隊員は、ルイスが合図に上げた腕を下ろすと直ぐに雨の音を掻き消す程の警鐘をけたたましく鳴り響かせた。


鐘の音を背に、ルイスは一目散に走り出す。

この雨の中、一体何が起こるというのだろうか。

考える余裕を無くしてしまう。

闇の王はアルを狙っている。
その王がアルを見つけた。


ということは――



走り出したルイスに続き、レオは妃奈乃をバルギリーに預けるとカムイと跡を追った。


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