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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け


街道は人っこ一人も見当たらない。

どしゃ降りの雨を見つめ、途方にくれた二つの影は濡れネズミのように肩を落とし長い溜め息をつく。

何度もはぁーと声に出し、モニカ達は民家の軒先で雨宿りをしていた。

雨の勢いが弱まっては走り出し、強くなっては雨宿りをしてやっとこさ城が見える城下まで辿り着いた。


服も髪も全身ずぶ濡れ。
このまま引き返すよりは城で身体を温めさせてもらおう。

もしかしたらディーアが心配して身体を拭いてくれるかも……

“モニカ! こんなびしょ濡れで逢いにきてくれたのかい!? 僕の為にそんな無茶はしないで…


でも…嬉しいよ……チュッ ”



なんて……

…きゃはっ!




妄想が膨らみ、モニカはムフっと笑みを零した。

「もう少しだからこのまま行っちゃおうか?」

どうせここまで濡れたのだから、今さら雨を避けても遅いわ!そんな気持ちでナッツを覗くとナッツも大きく首を縦に振った。

恋をする乙女の行動力は凄まじい。

大雨で窓の雨戸も閉じられ人の気配の消えた街中を、モニカも小さなナッツも城を目指して懸命に走り出していた。

雨音と人の駆け足の音が入り混じり、館内の石廊に響いて入り混じる。

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