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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け


山向こうにあった暗雲の塊がルバール城目指して勢いを増していた。

何かに駆り立てられたように力強く渦巻く黒い雲は街に近づくと周辺の民家を暴風で薙ぎ倒し上空へ巻き上げていく。

叩きつける雨。吹き荒れる強風が耳を塞ぎたくなるような悲鳴に聞こえる。

「おいなんだあれは!?」

「一体なんだ!? なんの化物だ!?」

初めて目にした姿。その脅威を前にして、レオの後を追っていた隊員達は足がすくんでいた。

黒い雲は大きな鴉に姿を変え、そして巨人のように変化して目の前に立ち塞がる。
不気味に光る大きな目は一つになったり二つになったり、その形を自在に変化させていた。

非力な人間をまるで嘲笑うかのように。



「な、に…あれは……」

まさか!?――


城に戻ろうとしていたアルは、自分達の方へ騒ぎながら向かってきた精鋭部隊に驚いて後ろを振り向いた。そしてアルもその巨大な闇の存在に足が止まっていた。

ゆらゆらと揺れる巨大な闇の塊。その中からおぞましい人の顔のようなモノが沢山浮かび上がる。

一緒に振り向いたモニカが恐怖のあまりに悲鳴を上げた。


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