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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け


実体がない分、攻撃しても意味がない。

なのにレオの剣に当たる感触は間違いなく刃の感触だ。気を抜けばあっという間に斬り刻まれる。


「レオ! 我も手を貸すぞ!!」

数を増やし続ける黒い影に苦戦しているとレオの直ぐ隣に人影が現れた。

カムイはアルを守るようにして杖を横に身構えると、その杖の先についていた鉄飾りの輪っかが揺れ、金物の擦れる音がする。

カムイはしっかと目の前の化物を見据えた。

「“我が大地の精霊よ 偉大なる神の使いよ どうか我らに力を――”」

祈りを唱えカムイは地面に杖を力強く突き刺した。すると空に向かって直立するカムイの杖を柔らかな白い光りが包み込む。

その光りはいくつもの細い線に分かれ、放射状に一気に放たれた。

襲ってくる黒い影は発光に掻き散らされ瞬時に塵となり散って消えていく。

だがそれも僅かなことだった。カムイとて、その動きを止めることは出来なかったのだ。
限りなく繰り返される黒い影の刃は、杖の放つ光に当たったものだけが塵の様に消え去るだけ。

レオの反撃で数を増やしてしまう分、結局は意味を成さなかった。


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