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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け
・
民家を巻き上げる程の力に城がどれだけ耐えられるのかも分からない。
レオは後ろを気にしながら二本の大剣を振り、カムイに言った。
「カムイ! アルはもう城に着いたか!?」
カムイは後ろを振り返った。確認するとアルがちょうど駆けつけた隊員にモニカを預けているところだった。
「娘を隊の者達に預けたようだ!」
「そうか、身軽になりゃ走って行けるな…」
レオはボソリと呟くと後退っていた脚をぴたりと止めた。
「レオ!? お主、何故腕を止める!?」
脚だけでなく、腕の動きまでも封じた様にレオはその場に急に立ち止まっていた。
強風や雨、迫る刃の風斬る音に交じり、走り出したアル達の足音を耳に捉えるとレオの精悍な唇はふと笑みを浮かべる。
黒い刃の影は動きを止めたレオの体を容赦なく傷つけ始めていた。
浅黒く引き締まった肌に瞬く間に傷が刻まれていく。カムイは慌てて少しでもそれを抑えようとレオの後方で杖を構え祈りを唱えた。
カムイの唱えてくれた祈りのお陰で間を置いて、再び光が放たれた。レオが攻撃の手を休めたせいか、黒い刃の影も分離して増える事なく消えていく。
「そうだ、カムイ…少しの間だが、頼むぜ」
民家を巻き上げる程の力に城がどれだけ耐えられるのかも分からない。
レオは後ろを気にしながら二本の大剣を振り、カムイに言った。
「カムイ! アルはもう城に着いたか!?」
カムイは後ろを振り返った。確認するとアルがちょうど駆けつけた隊員にモニカを預けているところだった。
「娘を隊の者達に預けたようだ!」
「そうか、身軽になりゃ走って行けるな…」
レオはボソリと呟くと後退っていた脚をぴたりと止めた。
「レオ!? お主、何故腕を止める!?」
脚だけでなく、腕の動きまでも封じた様にレオはその場に急に立ち止まっていた。
強風や雨、迫る刃の風斬る音に交じり、走り出したアル達の足音を耳に捉えるとレオの精悍な唇はふと笑みを浮かべる。
黒い刃の影は動きを止めたレオの体を容赦なく傷つけ始めていた。
浅黒く引き締まった肌に瞬く間に傷が刻まれていく。カムイは慌てて少しでもそれを抑えようとレオの後方で杖を構え祈りを唱えた。
カムイの唱えてくれた祈りのお陰で間を置いて、再び光が放たれた。レオが攻撃の手を休めたせいか、黒い刃の影も分離して増える事なく消えていく。
「そうだ、カムイ…少しの間だが、頼むぜ」