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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け
倉庫から小屋に戻る途中、警鐘の鳴り響いた後に精鋭の部隊が飛び出していった。何が起きたのか凄く気掛かりだ。
ロイドはティムが柵に縄を引っ掛けたことを確認すると直ぐに自分が代わった。
縄を操り手際良く結び付ける。一本目の新しい柵をしっかりと固定させると、予備の柵も取り付け始めた。
「ふう…これだけ頑丈にしとけば大丈夫だろう。とりあえず外の様子が気になる、見に行ってみるか」
作業を済ませ額を拭うロイドにティムも頷き返す。
まだ、暴れ続けるティールを振り返ると二人とも馬小屋を後にした。
雨の中――
暗闇の空
濡れた地面が足に重りの様に絡みつく
「この娘もっ」
隊員にモニカを預け、アルはナッツのことも頼んだ。だが父親を知らないナッツは大の男に慣れていないせいか、抱っこされる事も背中に背負われることさえも嫌がる。
「いいよ、この娘は僕が連れて行くっ」
「お願いします!」
考えてる時間はない。困り果てた隊員にアルはそう伝えるとナッツを胸に抱き抱えた。
アルが先に走り出した隊員の後を追い掛けようとしたその時、ナッツが腕の中でジタバタと急にもがく。
「おろして、ちょっとおろして」