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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け
・
「つ……さすがに痛えじゃねえか………」
「お兄…ちゃ……」
マークは自分を胸に庇ったレオの背中から鮮やかな血しぶきが散るのを目の前にしていた。小さな身体を抱いているレオの腕に痛い程の力が入る。
アルはその状況を見て息をのんでいた。
「大丈夫かレオ!?」
「ああ…っ…」
カムイはレオに走り寄る。背中には大きな裂傷がつけられ、そこからは鮮血が止めどなく溢れている。レオはそれでも強気の表情をくずさなかった。
「おに…ちゃ……」
「…っ…心配すんな…ちょいと血の気が多すぎるだけだ……」
そういうと剣を支えにして立ち上がる。
そうしている間にも再び黒い刃が霧の中から顔を覗かせていた。背後に大きく立ち塞がった黒雲のおぞましさに震えがくる。
「泣くなっ…お前も男だろ…っ…」
顔を歪めたマークを叱り飛ばすとレオはゆっくりと振り返った。
また次が来る――!
カムイは体制を整える間もなく、とっさに祈りを唱えた。
だが到底、間に合わない。
先ほどよりもさらに鋭さを増したその黒刃は釜の様に湾曲し尖った刃先をレオ達に向けて再び放った。
「つ……さすがに痛えじゃねえか………」
「お兄…ちゃ……」
マークは自分を胸に庇ったレオの背中から鮮やかな血しぶきが散るのを目の前にしていた。小さな身体を抱いているレオの腕に痛い程の力が入る。
アルはその状況を見て息をのんでいた。
「大丈夫かレオ!?」
「ああ…っ…」
カムイはレオに走り寄る。背中には大きな裂傷がつけられ、そこからは鮮血が止めどなく溢れている。レオはそれでも強気の表情をくずさなかった。
「おに…ちゃ……」
「…っ…心配すんな…ちょいと血の気が多すぎるだけだ……」
そういうと剣を支えにして立ち上がる。
そうしている間にも再び黒い刃が霧の中から顔を覗かせていた。背後に大きく立ち塞がった黒雲のおぞましさに震えがくる。
「泣くなっ…お前も男だろ…っ…」
顔を歪めたマークを叱り飛ばすとレオはゆっくりと振り返った。
また次が来る――!
カムイは体制を整える間もなく、とっさに祈りを唱えた。
だが到底、間に合わない。
先ほどよりもさらに鋭さを増したその黒刃は釜の様に湾曲し尖った刃先をレオ達に向けて再び放った。