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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け


毛布だ

毛布も欲しい

冷えてくアルの身体を早く温めてくれっ…


レオは血だらけの手でアルの頬を撫でる。

「直ぐだからな…もうすぐだから、…もうちっと頑張ってくれよ…なあ、アル…」

蒼くなっていくアルの唇に触れながらレオは何度もうわ言の様にそう繰り返した。

いつの間にか消えた黒い巨大な暗雲。

そしてその先からうっすらと光を纏った一頭の白馬が歩いてくる。

その背中には他の馬には類を見ない、神々しい翼が生えていた。

「あれはまた――」

マークの目を未だ塞いだまま、カムイはその白銀色に光る馬を見つめ呟いた。

「あの光はあれの仕業か――?」

敵なのか味方なのか?

だだ、オドロしいあの魔物を見た後だけに、あれには味方であって欲しいと切に願ってしまう。

その馬はアルの元までくると傷ついたアルを悲しげに見下ろした。

「アルはどうした!? 大丈夫か!?」

城から馬を走らせてルイスが到着した。後ろには担架を積んだ荷馬車を率いている。

ルイスは地面に座りこんだレオの背中に目を向けた。
「すごい傷だ、早く馬車に――…!っ」

そう言ってレオの前に回り込むと膝に抱えられたアルを見てルイスは言葉を無くした。


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