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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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曇った暗い空では昼と夜の境も分からない。
城にはアルのことをまだ知らぬ者も多く、窓から見える、食堂の煙突からは煙がもくもくと噴いている。
隊員達の為にエバも調理に紛争しているのだろう。
下町の半分が黒い竜巻に巻き上げられ、壊滅状態だ。助かったのは区画整理の為に丁度もぬけの殻の空き家ばかりだったこと。
アルがオトリになったお陰で闇の王はアルを目掛け、一直線にここまで向かってきた。
それが幸いしたのかも知れない。
ルイスは握ったアルの手をもう一度キュッと掴んだ。
“乗り越えろ!”
今はそう願うしかない──
アルの頭をそっと撫で、ルイスはベッドから離れた。
「やることが山積みだ、ここはルーカスに任せる。子供達にもすぐに知らせる…」
ルイスは言いながら扉に手を掛けた。
医務室の外ではもう知った顔ぶれが並んでいる。
不安な表情を浮かべたまま、出てきたルイスにどう尋ねたら言いかを探しているようでもあった。
「もう中に入ってもいいのか」
ルイスの肩に手を置いて、そうきり出したのはロイドだった。
傍に居たティムもマークも心配そうに見つめ返す。
ルイスは細いため息をゆっくりと吐いた。
曇った暗い空では昼と夜の境も分からない。
城にはアルのことをまだ知らぬ者も多く、窓から見える、食堂の煙突からは煙がもくもくと噴いている。
隊員達の為にエバも調理に紛争しているのだろう。
下町の半分が黒い竜巻に巻き上げられ、壊滅状態だ。助かったのは区画整理の為に丁度もぬけの殻の空き家ばかりだったこと。
アルがオトリになったお陰で闇の王はアルを目掛け、一直線にここまで向かってきた。
それが幸いしたのかも知れない。
ルイスは握ったアルの手をもう一度キュッと掴んだ。
“乗り越えろ!”
今はそう願うしかない──
アルの頭をそっと撫で、ルイスはベッドから離れた。
「やることが山積みだ、ここはルーカスに任せる。子供達にもすぐに知らせる…」
ルイスは言いながら扉に手を掛けた。
医務室の外ではもう知った顔ぶれが並んでいる。
不安な表情を浮かべたまま、出てきたルイスにどう尋ねたら言いかを探しているようでもあった。
「もう中に入ってもいいのか」
ルイスの肩に手を置いて、そうきり出したのはロイドだった。
傍に居たティムもマークも心配そうに見つめ返す。
ルイスは細いため息をゆっくりと吐いた。