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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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「影を潜めた…か。では当分は姿を見せぬと言うのじゃな?」
老師は尋ねた。
「おそらく…先の邪気に向かって行った光。あれはまさしく神の力。一瞬にして散らされたと見た。じゃが滅んだ訳ではあらぬ── ただ、“あれ(神の力)”がこの地に在る限り、不完全体のあやつでは直ぐに手出しは出来ぬはず…」
老師はその説明に腕を組み深く頷く。そして顔を上げた。
「うむ…なるほど。たしか書物にはこう記されてあった。“従者は神の化身に跨り天を駆け巡る…”──もしやの話ならば、神の化身とはおそらくあの白馬のことなのだろう」
老師は席から立ち上がる。そしてゆっくりと窓際に近づくと、今も尚、雨の降る中に佇み城門の前から片時も離れない白馬 ティールを見下ろした。
銀色に輝く姿は悪しき物を寄せ付けぬかのように気高く神々しい。
「異常な成長、そして名もなき村の紋章が立派な証拠。だが、肝心の従者が…」
語尾を濁した老師の言葉にルイスは悲壮な表情を浮かべ、悔しげに奥歯を噛み締めた。その横で、ただの一言も話さず、レオはずっと前を見据えたままだった。
「影を潜めた…か。では当分は姿を見せぬと言うのじゃな?」
老師は尋ねた。
「おそらく…先の邪気に向かって行った光。あれはまさしく神の力。一瞬にして散らされたと見た。じゃが滅んだ訳ではあらぬ── ただ、“あれ(神の力)”がこの地に在る限り、不完全体のあやつでは直ぐに手出しは出来ぬはず…」
老師はその説明に腕を組み深く頷く。そして顔を上げた。
「うむ…なるほど。たしか書物にはこう記されてあった。“従者は神の化身に跨り天を駆け巡る…”──もしやの話ならば、神の化身とはおそらくあの白馬のことなのだろう」
老師は席から立ち上がる。そしてゆっくりと窓際に近づくと、今も尚、雨の降る中に佇み城門の前から片時も離れない白馬 ティールを見下ろした。
銀色に輝く姿は悪しき物を寄せ付けぬかのように気高く神々しい。
「異常な成長、そして名もなき村の紋章が立派な証拠。だが、肝心の従者が…」
語尾を濁した老師の言葉にルイスは悲壮な表情を浮かべ、悔しげに奥歯を噛み締めた。その横で、ただの一言も話さず、レオはずっと前を見据えたままだった。