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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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全身を濡らし、頬を滴る冷たい雨がロイドの表情に悲壮感を漂わせる。
愛しいアルは今闘っている。祈ることしか出来ない自分。ロイドは苦しみの淵に立たされたまま、すがる思いでこの場所に居た。
ロイドは大きな息を吐いた。
勢いをつけると長い脚で入口を軽く跨ぎ中へと飛び込む。
「……これが遺跡の中か」
ロイドはランプの明かりをかかげ、中を見渡した。
階段をゆっくりと下りて地面にたどり付くとロイドは壁の回りを照らしながら歩く。
初めて脚を踏み入れたそこでロイドは奇妙な光りを背に受けた。
「――っ!…」
振り向いたと同時に真っ赤に輝く光りがロイドを包むように誘う。反対の壁から放たれるその元へ、ロイドは近付いていった。
「これはもしや…っ」
ロイドは緊張した手を伸ばした。
あまりの眩さに言い知れぬ恐怖も同時に溢れる。
ルイスとレオがこの遺跡で手に入れたという石。一つは青、もう一つは緑。
そして残るもう一つは──
ロイドはその壁に埋め込まれた赤く光る石の上にそっと手をかざすと、口の奥に溜まった唾を音を立てて飲み込んだ。
全身を濡らし、頬を滴る冷たい雨がロイドの表情に悲壮感を漂わせる。
愛しいアルは今闘っている。祈ることしか出来ない自分。ロイドは苦しみの淵に立たされたまま、すがる思いでこの場所に居た。
ロイドは大きな息を吐いた。
勢いをつけると長い脚で入口を軽く跨ぎ中へと飛び込む。
「……これが遺跡の中か」
ロイドはランプの明かりをかかげ、中を見渡した。
階段をゆっくりと下りて地面にたどり付くとロイドは壁の回りを照らしながら歩く。
初めて脚を踏み入れたそこでロイドは奇妙な光りを背に受けた。
「――っ!…」
振り向いたと同時に真っ赤に輝く光りがロイドを包むように誘う。反対の壁から放たれるその元へ、ロイドは近付いていった。
「これはもしや…っ」
ロイドは緊張した手を伸ばした。
あまりの眩さに言い知れぬ恐怖も同時に溢れる。
ルイスとレオがこの遺跡で手に入れたという石。一つは青、もう一つは緑。
そして残るもう一つは──
ロイドはその壁に埋め込まれた赤く光る石の上にそっと手をかざすと、口の奥に溜まった唾を音を立てて飲み込んだ。