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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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心配そうに覗き込み、ティムの額に吹き出した冷や汗をロイドの指先が優しく拭っている。
ティムはベッドに寝かされている自分に驚いて起き上がった。
辺りを見渡すと先程、自分達が寝ていた仮眠室だと気づき、ティムはロイドの腕を掴んで詰め寄った。
「アルはっ!?」
必死にすがる幼い瞳がロイドの胸を突き刺す。
夢であって欲しい。今までのことは不安からくるただの悪い夢なのだ。
そんなティムの目差しを前にして、ロイドの表情がひどく歪んだ。答えられぬまま顔を伏せてロイドはただ首を振るだけだった。
俯いたまま悲壮な嗚咽を漏らす。
「ティム…っ…アルは今、……エバが…っ…綺麗にしてくれてるから…」
苦し気に声を詰まらせて、ロイドはティムに言い聞かせた。
「…っ…明日は旅立ちの儀式だ…準備が済んだらアルのところに行こうな…」
「──…ロイ兄ちゃ……」
言い掛けた言葉をティムは飲み込んだ。アルがどうなったのかはっきりとした言葉で聞きたかった。
遠回しな言い方ではなくて、もっと理解しやすい言葉で知りたかった筈なのに、ティムはそれ以上のことを口には出来なかった。
心配そうに覗き込み、ティムの額に吹き出した冷や汗をロイドの指先が優しく拭っている。
ティムはベッドに寝かされている自分に驚いて起き上がった。
辺りを見渡すと先程、自分達が寝ていた仮眠室だと気づき、ティムはロイドの腕を掴んで詰め寄った。
「アルはっ!?」
必死にすがる幼い瞳がロイドの胸を突き刺す。
夢であって欲しい。今までのことは不安からくるただの悪い夢なのだ。
そんなティムの目差しを前にして、ロイドの表情がひどく歪んだ。答えられぬまま顔を伏せてロイドはただ首を振るだけだった。
俯いたまま悲壮な嗚咽を漏らす。
「ティム…っ…アルは今、……エバが…っ…綺麗にしてくれてるから…」
苦し気に声を詰まらせて、ロイドはティムに言い聞かせた。
「…っ…明日は旅立ちの儀式だ…準備が済んだらアルのところに行こうな…」
「──…ロイ兄ちゃ……」
言い掛けた言葉をティムは飲み込んだ。アルがどうなったのかはっきりとした言葉で聞きたかった。
遠回しな言い方ではなくて、もっと理解しやすい言葉で知りたかった筈なのに、ティムはそれ以上のことを口には出来なかった。