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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬


止められた手を払い、マークはまた葉をむしろうとする。ルイスはそんなマークを見て顔を歪めた。
そして濡れた地面に膝を落とすとルイスはゆっくりとマークを背後から抱き締めていた。

「マークッ…もうアルはっ…」

「──!っ…大丈夫だよっ…アルはすぐ元気になる…っ…なるんだっ…このメソナをいっぱいっ…いっぱい飲んだらっ…ひっく…不死の薬なんだからっ…アルはすぐ元気にっ…元気に…っ…」

マークは言いかけたまま声を詰まらせた。

見上げたルイスを睨むように見つめた顔が大きくくしゃりと歪んでいく。

「ううっ…っ…アルはっ…アルは……っ……うっく……ルイお兄…ちゃん…っ…なんでっ…なんでアルは死んじゃったのっなんでみんな置いてったの…っ」

「マークッ…」

葉っぱを握りしめた手の甲で溢れる涙を拭きながらマークは泣きじゃくる。雨の中、びしょ濡れのままルイスはそんなマークをただひたすらに抱き締めてやることしかできなかった。

ついこの間までは賑やかな国だった。高台の丘にそびえ立つルバール城。だが、そこから眺められる景観な町並みも、今はいつ晴れるとも知れぬ闇が覆っている。

雨に濡れたまま、未だに城門に立ち続ける一頭の白馬はただ一点だけを静かに見据えていた。

城の丘と城下を結ぶ長い煉瓦橋。その先のパン屋の軒下には、主を失った錆び付いた剣が、柄深くまで突き刺さり冷たい雨に打たれ静かに佇んでいた。

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