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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者




“さあ──行け!”


“怖れを捨て 立ち向かえ!”


“皆(みな)の希望が己の剣”


“皆(みな)の涙が己の盾”


“荒ぶる神を

己が心で鎮めよ!──”





黄金の鐘が頭の中で幾度も鳴り響いた。たくさんの声と共鳴し、痛い程の耳鳴りがするとその声の光は従者を包む。そして一気に弾け、跡形もなく消えさった。








◇◇◇


けたたましい豪雨が東の大国を襲っていた──


アルの埋葬を済ませ、城では成す術もないまま会議が開かれていた。
埋葬の途中で姿を消したレオを抜いて、また同じ顔触れがそこに座っていた。

大切な人を失った悲しみに暮れる間もない。ルイスは頭を抱えたままだ。


あのおぞましい化物を前にした精鋭の隊員たちも、口には出さずとも恐怖に震え上がっていることは目にも明らかだ。

人戦に備えての訓練も、あの化物相手では何一つ役にたつものはなかった。


「国王様」

夜も暮れ、静かな会議室の扉が叩かれた。

「たった今、ジャワール大国からキエラ大王様代理のセラス・オルガ様が到着されました。直ぐにでも国王様との謁見をお願いしたいとのお申し入れです」


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