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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者


「──!…」

「居ないっ!?」

「…んだとっ!?」

先に中を目にした二人は驚き、レオはむしり取った中蓋を墓穴の外に放り投げて棺を覗き込む。


下に敷かれた深紅のシーツだけがそこにあり、ルイスとロイドは唖然としたまま顔を見合せた。

そしてロイドはポツリと口にした。

「まだ生きてた…のか…」

「わからん…だが生きてたとして、どうやって中から出た?出た後をわざわざ釘打って土も被せたってのか!?それはあり得ん…」

「それはそうだが、じゃあこの状況をどう説明する!?」

問われてルイスは口に手を当てた。


「……ここは王族の墓だ。あり得るなら…金品を狙った墓荒しの可能性が高い──」

まさかこんな時に…
火事場の泥棒とはよくいったものだ。

ルイスは難しい表情を浮かべた。
普段なら墓守がいるはずのこの場所も、今は人手不足のために、この場所までは警備が出来ていなかったのだ。

「重いのに死体ごと盗むのか!?それもおかしいだろ!?アルは金目の物なんかほとんど身につけていなかったはずだ!!」

興奮のせいか、段々とロイドの声が大きくなってくる。

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