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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者


豊かな暮らし、小さいながらも平和に育まれ発展を遂げた街並み。

突如に現れた謎の闇のに飲まれ、今はその面影すら見当たらない。

神の従者亡き今、世界各地でまた異変が現れていた──


──天空の要塞

その昔、かつてそう呼ばれた国があった。

難攻不落の国、雲も間近の高く突き出した大きな山の頂上。その上に建てられた国は回りを巨大な岩石と滝に囲まれ堅く守られていた。

行き来するには正門と外界を結ぶただ一つの道しかない。その為に攻め落とすことは不可能とされ、襲撃を受けたことがなかった。


争いとは無縁の国。

知らぬ者達は皆がそう口にした。

だがそれは、その国の者達にとっては夢のまた夢…

他国の襲撃を受けぬ代わりに、国内では日々、権力争いが勃発していたのだ。


強奪のような税の取り締まり。豊かなのは城の上層部に蔓延るダニのような領地主達ばかり。

民から根こそぎ巻き上げて、国王からの慈悲を乞う。
敵国の居いない平和な国。生ぬるい湯に浸かりきったように、国を動かす力のなかった歴代の王達は傘下につく領地主にいいように利用されていた。
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