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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者


ただ事ではない惨事。これだけではすまない何かがまた起きるのでは──

逃げ惑う人々を助けながらバルギリーは危険な道を下りる決心をした。

「お前達だけでほんとうに大丈夫か?」

身体の埃をはたきながらワーグは言った。

「なあに…わしらは庭師。石の専門家だが!土石流がなんだ!!わしらに扱えねえ石はこの世にねえがや!」
怪我をした額の血を拭い、バルギリーはその容貌に似合わぬウインクをしてみせた。

「先に知らせの文は送ってある。奴の助けがあれば心強い!この問題はわしらの国だけではどうにもできねえがや。今回ばかりはわしが先頭にたつ」

「バルギリー…ああ、そうだな。民は今、混乱している。こんな時は強引にでも尻を叩いてくれる奴が必要だ!それまでの間は俺達でここを守る!」

ワーグはそう言ってバルギリーの肩を叩いた。

あの日、力自慢の師弟達を連れて旅立つバルギリーを見送った日をワーグは思い出していた。


怪我をした民の治療や崩壊した街の整備にあたる異国の者達。各国から次々にやってくる救済の手に涙が滲む。


メアリーやハワードもその光景に目頭を熱くしていた。

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