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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者


外の国はすべて敵と見なし、堅い要塞で壁を造り接触を拒んできた。

だが、どうだ?そうやって拒絶してきた者逹が、見返りの取り引きも何もなしに自ら危ない道を通ってまでこの国に助けの手を伸ばしてくれる。

これからはもっと外の世界を知るべきだ。

建物の瓦礫が散乱する中で、足を取られながらも救助を皆、懸命にやってくれている。そんな姿に激しく胸が揺すぶられた。


この国に残った三人は、救援の手が届いたと同時に危険を承知で行動に出たバルギリー達の無事を確認し、安心して荒れた地の修復作業に精を出していた。

「ほら、藥と包帯だ。他に足りない物があったら早目に書き出しておいてくれ。荷物を下ろしたらまた直ぐに発つからな」

救援物資を積んできた荷馬用の山鹿から荷物を下ろしながら、耶摩帝国の兵士が言った。

この山鹿なら荷物を乗せていようと足場の悪い山道も瓦礫の岩場も楽に越えてくれる。もとが傾斜の激しい雪山に棲む生き物だけに、山鹿の足腰はかなり丈夫だった。

平年、白い雪に閉ざされてはいるが、耶摩は漢方の国でもある。雪肌を捲れば地面の中には様々な生薬の根が生息している。


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