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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者
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捜索に駆り出された隊員逹も、勿論ルイスも、原因が解らぬまま街中を駆け回るしか術がなかった。
「各自の判断で合間に休憩を挟んで任務に当たってくれ」
「はい!隊長も無理を為さらずに」
指示を出したルイスに副長はそう応えた。ルイスは黙って頷き返すと街の奥へと馬を走らせた。
「くそっ…アルッいったいどこにいったんだ!?」
一本に束ねた長い黒髪が風雨になびく。
ロイドは向かい風で叩き付けてくる雨粒を頬に受けながら険しい顔をした。
焦りを浮かべた漆黒の瞳に夜の街を映す。立ち止まっては走り、走り出しては立ち止まり、辺りを見回せど何処を捜してもアルの姿は見当たらない。
「アルっ…何処に居る…っ…」
頼むからこれ以上俺から離れて行かないでくれ!
死してもなお傍にいることが叶わない。ロイドは途方に暮れた表情を浮かべた。
手綱を握り締め一瞬の人影も見失わない様にと辺りを見回していると、黒馬の尖った耳がピンッとはりつめた。
立てた細長い耳がピクリと動くとロイドの黒馬はいきなり向きを変えた。
「──っ!?急にどうした!?」
慌てて手綱を握り直したが、黒馬は全くロイドの言うことを聞こうとしなかった。
捜索に駆り出された隊員逹も、勿論ルイスも、原因が解らぬまま街中を駆け回るしか術がなかった。
「各自の判断で合間に休憩を挟んで任務に当たってくれ」
「はい!隊長も無理を為さらずに」
指示を出したルイスに副長はそう応えた。ルイスは黙って頷き返すと街の奥へと馬を走らせた。
「くそっ…アルッいったいどこにいったんだ!?」
一本に束ねた長い黒髪が風雨になびく。
ロイドは向かい風で叩き付けてくる雨粒を頬に受けながら険しい顔をした。
焦りを浮かべた漆黒の瞳に夜の街を映す。立ち止まっては走り、走り出しては立ち止まり、辺りを見回せど何処を捜してもアルの姿は見当たらない。
「アルっ…何処に居る…っ…」
頼むからこれ以上俺から離れて行かないでくれ!
死してもなお傍にいることが叶わない。ロイドは途方に暮れた表情を浮かべた。
手綱を握り締め一瞬の人影も見失わない様にと辺りを見回していると、黒馬の尖った耳がピンッとはりつめた。
立てた細長い耳がピクリと動くとロイドの黒馬はいきなり向きを変えた。
「──っ!?急にどうした!?」
慌てて手綱を握り直したが、黒馬は全くロイドの言うことを聞こうとしなかった。