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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者


綺麗なうすい桃色の足の裏に青い草が絡み付き、小指の爪程もない可愛らしい小花が華奢なくるぶしを飾るように数枚、ぴたりと貼り付いていた。

強い風に青い衣服の裾が揺れる──

傍に寄り添うようにして白銀の翼を持つ白馬を従え、その裸足の主は湖のまん中に浮かぶ遺跡の入り口の前にいた。


「──…っ」


どこからともなく駆け付けた足音が遠く先で見付けた人影に立ち止まり息を飲む。

「アルッ!!──」


雨の煙りの中にある人影。見覚えのある青いワンピース、その衣服を纏った少女…

間違いなくあれはアルだ!!──


黒馬で湖の近くまで駆け付けるとロイドは驚きとそれを遥かに凌ぐ喜びの表情を浮かべ、アルの名を叫んだ。

もっと近くへ!

そんな思いのまま、ロイドは落ちるような勢いで黒馬から飛び降りる。

「待てロイッ!!──」

湖の石橋を渡ろうとしたロイドを誰かがそう呼び止めていた。

急く心のままに止められた長い脚が行き場を失う。引き止めた声の元を振り返ると反対側の後方からも声がした。

「ああ、隊長さんの言う通りだ──」

戸惑うロイドに低い静かな声でレオはそう返した。

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