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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村


「異国の姫君…か」

ふと思い出して呟くとルイスはクスリと笑った。

「覚えてるぞ、確かアルデオ共和国のアルディナ姫だったな」

アルの枕元に肘をつき、アルの寝顔を眺めながらルイスはまぶしい笑みを浮かべた。

仮面舞踏会で出逢った美しい姫君。その偽りのシナリオのままだったらどんなに良かっただろうか?

なにがなんでも捜し出し、妃として迎え入れすべて上手くいっていただろうに……

「アルディナはアルで…親友の想い人で…そして世界を救う神に選ばれた従者」

オマケに死んだ筈が墓から抜け出し甦ったときたもんだ…どっちが作り話か解らなくなるな…


ルイスは眠ったままのアルに胸の中で問い掛けていた。ルイスの複雑な思いを知ってか知らぬか、アルは勿論無言のままだ。


ルイスは椅子から腰を上げるとアルに覆い被さるようにゆっくりと身を屈め、そしてもう一度唇を深く重ねた。

今だけは何も考えないで置こう。

大事な親友のことも
世界が大きな闇に包まれかけていることも──


蒼い瞳を閉じると同時にアルに重ねていたルイスの唇がそっと開いた。静かな部屋の中でルイスはかみ合うようにアルの柔らかな感触を味わうと眠ったままのアルを見つめる。



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