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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村
・
駆け込んできたルーカスはアルの腹部を見て驚いていた。
「ほんとだ──…」
血に染まり乾いていた包帯は、ほどけた部分からアルの滑らかな白い肌を覗かせている。
闇の王に裂かれた痕も自分が縫合した痕も何処にもない。
「レオと同じだな……自分で治癒したのかあの傷を…」
ルーカスはアルの腹部に触れながら、後ろに着いてきていたシェラに手を差し出した。
アルを触診する無言のルーカスにシェラはオペ用のハサミを渡す。
ロイドが見守る前でルーカスは巻き付いていた包帯の真ん中にハサミを入れた。
切れ味のいいハサミは音もなく水を切るように包帯を滑っていく──
アルの白い肌には乾燥した血の痕だけがこびりついていた。
「んー…さむい…」
「──!?」
手探りでシーツを掴むとアルは寝返りを打って布団にくるまった。
「アル!?」
「目覚めたのか…?」
ロイドは思わず名前を呼んだ。あまりに不粋な目覚め方にルーカスは目を見開く。
布団にくるまったアルは何か夢でも見ているのだろうか?フフっと何度も囁くように笑っていた。
駆け込んできたルーカスはアルの腹部を見て驚いていた。
「ほんとだ──…」
血に染まり乾いていた包帯は、ほどけた部分からアルの滑らかな白い肌を覗かせている。
闇の王に裂かれた痕も自分が縫合した痕も何処にもない。
「レオと同じだな……自分で治癒したのかあの傷を…」
ルーカスはアルの腹部に触れながら、後ろに着いてきていたシェラに手を差し出した。
アルを触診する無言のルーカスにシェラはオペ用のハサミを渡す。
ロイドが見守る前でルーカスは巻き付いていた包帯の真ん中にハサミを入れた。
切れ味のいいハサミは音もなく水を切るように包帯を滑っていく──
アルの白い肌には乾燥した血の痕だけがこびりついていた。
「んー…さむい…」
「──!?」
手探りでシーツを掴むとアルは寝返りを打って布団にくるまった。
「アル!?」
「目覚めたのか…?」
ロイドは思わず名前を呼んだ。あまりに不粋な目覚め方にルーカスは目を見開く。
布団にくるまったアルは何か夢でも見ているのだろうか?フフっと何度も囁くように笑っていた。