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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村



ルイスのその言葉にロイドは続けた。

「そうだ…アル、こんなに元気で帰って着てくれた…こっちはありがとうの言葉しかないよ…」

高い身長を屈めてアルを覗き込むと柔らかな髪をくしゃくしゃと撫でる。そしてロイドは額に敬愛を込めてキスをした。

愛しいアル──

俺の大事な…



「アル……」


ロイドはアルを見つめて名前を囁く。

生きてる瞳。

色付く肌──


やっと戻って着てくれた大切な人──



優しくみんなに見守られながらアルはゆっくりと唇を開いた。


「──長い夢を見てたの…」

「……夢…」

ロイドは呟いた

「…うん…身体がとても軽くてフワフワして──

すごく楽しくて──…

このままずっとそうしていたい…って

そう思ったらすごく力強い風に煽られて──」


ポツリポツリと話すアルの言葉を皆は静かに受けとめる。

語りながらアルは前を見つめた。



“さあ──行け!”


“怖れを捨て 立ち向かえ!”


“皆(みな)の希望が己の剣”


“皆(みな)の涙が己の盾”


“荒ぶる神を

己が心で鎮めよ!──”



柔らかな瞳にしっかりとした強さが現れる──



あの時の神々の言霊がアルの脳裏に焼き付いていた。

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