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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村


その頃──

ルバール城の会議室でどよめきが起こっていた。


「おおっ…」

「──…っ…これは一体、何ごとだっ…」



暫しの休息を取った宰相、そしてセラス。それからレオを抜いた各国の領主、カムイ達を交え会議室で円卓を囲んでいた者達は地底から響く地鳴りに席を咄嗟に立ち上がり身構えた。

ゴゴゴゴ──…と城が揺れ、地盤が擦れ合う様な音が建物に伝わる。


「慌てるでない──」

ただ一人──

微動だにすることなく椅子に腰掛けたまま妃奈乃は言った。


「…事がやっと動き始めたようじゃ──」

白き神の生まれ変わり。神仙の妃奈乃は静かにそう呟き笑みを浮かべる。

妃奈乃に諭され国王もその場にいた者達もゆっくりと椅子に腰を据え直し、暫くして地底からの地響きはパタリと鎮まりかえっていた──




「取り合えず引き上げるか…」

遺跡の地下では勇者として選ばれた証しの刻印とアルの剣が光った以外、何も変わった様子は窺えなかった。

ルイスの号令で、アル達は遺跡の地下から引き上げる。

そして馬車に乗り、城を目指す一行を、星の散らばる夜空から一頭の白馬が見守っていた……。


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