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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村
「しかし、この城が揺れるくらいの地鳴りなら街も揺れてるはずなんだがな。一体何が起こってやがんだ!?」
レオは歩きながら疑問をぶつける。
ルイス達は城の書庫へと脚を向けていた。
たどり着くと、ルイスはその一番奥の鍵の掛かった重厚な扉を開けて資料を手にして出てくる。
「取り合えず闇雲に捜しても埒があかない。広いからどの順番でいくか話し合おう──」
ルイスは手にした資料をパサリとテーブルに放った。
城内の地図と細部まで詳しく描かれた地図が数枚並んでいる。
その中には古のルバール大国の写しの地図も含まれていた。
アルは以前、名もなき村の場所を知りたいとルイスに執務室に呼ばれ、見せてもらったことのあったその地図をテーブルの隅で一人広げていた。
男三人は城内の見取り図に集中している。
「地下水路から行ってみるか?」
「地下か…たしかいろんな仕掛けがあった筈だが動き出してたらかなりやばいな…」
ロイドの提案にルイスは二の足を踏む──
二千年の歴史を紡いだ城だ。戦に備え様々な仕掛けがあることはルバール国の古事記にも書かれている。
「──…動いたならぶっ壊すしかねえだろ?」
大剣を肩に担ぐとレオはニヤリと笑った──
「なら──、行ってみるか…アルは危ないから…」
「あった──!」
ルイスの言葉をアルが遮っていた。