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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村
・
有無を言わさぬ隊長の命令に逆らえず、ニコルはロイドを名残惜し気に目に止めて走って行った──
ルイスは走り去った部下の背中を見送り目の前の白馬を見てポツリと言った。
「……翼がなくなってる」
「翼……って?」
「ああ、ホントだな…まるで普通に戻ってる──ティールだよな?コイツ…」
疑問を浮かべたアルにロイドはそう返していた。
レオは腕を組んでティールを見据えるように仁王立ちしている。
アルは近付くとそっとティールの頭を撫でた。
黒い刃を受け、自分が倒れた直後に闇の王に立ち向かい蹴散らしたという神の化身──
自分の代わりに皆を守ってくれた……
「ありがとう」
アルはティールの顔に頬擦りしながら目を閉じると短い額のたてがみを優しく撫でる。
その瞬間ティールはぶるりと大きく身震いをしてみせた。
「危ないアルッ」
ロイドは咄嗟にアルを引寄せて胸に庇う。
その場で大きく前足を上げるとティールは高く嘶き、白銀の翼を皆の前にひけらかした──
たてがみもふあさりと伸びて銀糸の毛並みが鼻の先に掛かる。
「──…綺、麗…」
その美しさにアルは思わずそう呟いていた。
「はっ、正体現したな」
レオは次に何が起きるのかと待ち構えニヤリとした。
有無を言わさぬ隊長の命令に逆らえず、ニコルはロイドを名残惜し気に目に止めて走って行った──
ルイスは走り去った部下の背中を見送り目の前の白馬を見てポツリと言った。
「……翼がなくなってる」
「翼……って?」
「ああ、ホントだな…まるで普通に戻ってる──ティールだよな?コイツ…」
疑問を浮かべたアルにロイドはそう返していた。
レオは腕を組んでティールを見据えるように仁王立ちしている。
アルは近付くとそっとティールの頭を撫でた。
黒い刃を受け、自分が倒れた直後に闇の王に立ち向かい蹴散らしたという神の化身──
自分の代わりに皆を守ってくれた……
「ありがとう」
アルはティールの顔に頬擦りしながら目を閉じると短い額のたてがみを優しく撫でる。
その瞬間ティールはぶるりと大きく身震いをしてみせた。
「危ないアルッ」
ロイドは咄嗟にアルを引寄せて胸に庇う。
その場で大きく前足を上げるとティールは高く嘶き、白銀の翼を皆の前にひけらかした──
たてがみもふあさりと伸びて銀糸の毛並みが鼻の先に掛かる。
「──…綺、麗…」
その美しさにアルは思わずそう呟いていた。
「はっ、正体現したな」
レオは次に何が起きるのかと待ち構えニヤリとした。