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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村
「他には何も書いてはいないか?」
「ああ。他に文字らしいものは見当たらない……お前が今調べているそこも散々見た」
文字の周りを注意深く探るルイスにロイドは腰に手を当ててため息を吐いた。
ルイスは目を凝らして調べながら口を開く。
「博士の助言だ──…古の文字は“文字であって見た目は文字じゃない”って……ただの線や点も文字だったりするってな……」
ルイスに言われてロイドは成る程。と顎に手を当てた。
アルは二人のやり取りに「あ……」と声を上げる。
「ねえ、それならマークも一緒に連れて来た方がっ……」
「ああ。そうしたいのは山々だが、まずは下調べが先だ。ここは何が起きるか全く解らない……チビ達には危険過ぎる」
先程の大掛かりな仕掛けを見たばかりだ。アルは納得すると黙ってルイスの言葉に頷いて返した。
「もういいだろ?そろそろ次に進もうぜ、お二人さんよ」
レオは胸の位置で筋肉質の腕を組み、仁王立ちして背後で構えていた。
扉をじっくり調べ尽し、ルイスはアルを振り返る。
「そうだな……じゃあアル。鍵を試してみてくれ」
ルイスに言われ、アルは頷く。
道を開け、アルを扉の前に促すとルイスとロイドはアルを護る様に両脇に立っていた。