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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘
─────
「深いな……いったいどれだけ続くんだ?」
「さあな」
景色が変わらない洞窟を歩き、ロイドが溢した言葉にルイスが答えていた。
天井や壁、至る所を眺め、四人はただひたすらに突き進む。
曲がり角も何も無い一本の道。だからこそ余計に長く歩いた気がする。
地上で生えている樹木の根だろうか。時折、天井からぶら下がるそれをレオは大剣で切り払いながら先頭を歩いていた。
「長く歩いたように感じるがまだ半刻ほどしか経ってない」
ルイスは胸から懐中時計を取り出して時間を確認した。
「村に向かっているならもっとたくさん歩くはずだよ」
アルはロイドにまだまだ先は長いと言い聞かせる。
そんなアルをルイスはクスリと笑った。
「まあ、確かにまだ歩くとは思うが……アルがルバールに来たときよりは遥かに短い時間で辿り着けると思うけどな」
「──…っ…」
ニヤリとして顔を覗き込むルイスにアルは真っ赤になった。
そう。なにせアルは名もなき村を出た後に、迷いに迷って遠回りをしつくし、やっとこさルバール王国に辿り着いたのだから。
「そんなに遠いならちょっとした旅支度が必要だったかも知れないな……」
詳しいことを知らないロイドは洞窟の先を見つめ、真面目に答えていた。