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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘
歩きながら、ただ足元を見つめ黙り込んでしまったアルをロイドとルイスは両隣で見守る。
そんな場の空気をレオはいきなり笑い飛ばした。
「ははっ…アル!何をそんなに考え込んでやがる?」
「……だって…」
「だってもクソもねえ。なんにも難しいこたあないだろ?」
レオは言いながら振り返った。
「全部終わったら山で俺と一緒に暮らす!簡単じゃねえか」
後ろ向きで歩き、あっけらかんと口にする。そんなレオにロイドとルイスは一瞬、眉尻を吊り上げた。
「何を言い出すかと思えば……っ…アル!もうこいつの話は聞くな!」
ロイドは後ろ向きのまま歩くレオをまたシッシッと手で追い払う動作をしてみせる。
レオは豪快に笑い声を上げながらくるりと前を向いた。
レオの話に目を見開いていたアルはロイドとレオの二人のやり取りに思わずふふっと笑みを浮かべる。
そうだ……
そう言えばレオに結婚を申し込まれていたっけ……
思い出したアルは首から下げていた木笛を何気なくキュッと握り締める。
その行為にルイスは目を止めていた。
ロイドは相変わらず余裕の流し目を度々送ってくるレオをムッとした表情で牽制している。
ルイスはアルの首から下がる二つのアクセサリーを見つめると、そこから視線を外し前を向いた。