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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘
真っ直ぐに続いていた洞窟の道が、少しずつ上り坂になる。
レオの言った通り、暫く歩くとその先に横に伸びる細い光が見えていた。
外の明かりだろうか。
レオは当たり前のようにその光に向かって歩いていく。
ロイドもルイスもアルの両脇に立ち、三人、共に揃ってレオの後に続いた。
湿った土の匂いが微かに和らぐ。ここまで来てようやくレオがだいぶ前に言っていた“風”をアル達も感じることが出来ていた。
「……さて、確かこの先で女神さんが待ってるってあの馬は言ってたな……」
道がかなり狭くなり、出口から漏れる光がアル達にもはっきり見えてくる。
辿り着くとレオはニヤリと口角を緩め、挑戦的な笑みを浮かべた。
「先に様子を見て合図を送るから待ってろ」
レオは手にしていた剣を腰にしまい、狭いその出口を這い上がっていく。
外へ出たレオは手に付いた土を払うと生い茂る草木に囲まれた辺りを見回した。
「大丈夫だ!だが、誰も何も居ねえ!」
しゃがんで出口の隙間から顔を半分覗かせるとレオはアル達にそう伝えていた。