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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘
ロイドとルイスは顔を見合わせて頷き合う。
「俺が先に上る。そのあとアルだ。ロイはアルの後から来てくれ」
「ああ、わかった」
ルイスはそう言うと先に出口を這って出る。「いいぞ!」ルイスのその合図を聞くとロイドはアルの腰を支えた。
アルは、えっ?と振り返りロイドを見上げる。
「担ぎ上げてやるから」
「だ、大丈夫だって!このくらい上がれるから」
女の子扱いしてくれるのは嬉しいけど、これじゃただの足手まといだ。
遠慮するアルをロイドは気にすることなく、よっ!と声を上げて持ち上げる。
その先にはタイミングよくルイスの腕が伸びていた。
アルはその手に引き上げられながら小さく口を尖らせた。
いかにも守られているっていうこの状況──
恥ずかしいのと照れ臭いのと色んな感情が混濁する。
男に甘えることに慣れていないアルはどう反応をしていいかわからなかった。
手も服も汚さず地上に登ってこれたアルをルイスは覗き込む。
「大丈夫か?」
「……まったくなんともないです……」
「何だその不満そうな顔は?」
「別に何も不満てわけでは……」
「……?…」
口を尖らせて微かに赤い顔で背を向くと、何かしらゴニョゴニョと言っている。