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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘

「わかったっ…わかったから押すなよティール!歩けないだろっ」

チビ二人してよろけて転ぶとティムは強引なティールにもうっ!と頬を膨らませながらお尻の土を払っていた。

ティムとマークは初めて訪れた洞窟内を見て、うわぁ!と声を上げる。そして暫しその光景に見とれていた。

光苔で明るく照らされたそこは、キラキラと輝き思わず目を見張らずにはいられない。

「すげーぞ、ここ…っ…」

ティムはため息を溢し、マークはポケットから折りたたみのルーペを取り出して壁に張り付く苔を観察した。

「……図鑑でも見たことないよ、このコケ……」

そうやって興味津々に辺りを眺める二人の背後でバサリと音がした。

「伝承の地の民よ……奥に進むがいい……」


「──…!っ…」

ティムとマークが驚いて振り向くと、そこには翼を羽ばたかせて浮遊するティールが居た。

話しには聞いていたティールの神の化身の姿。宙に浮かび人の言葉で呼び掛けてくるその存在に、ティールもマークも今度は同時に唾を飲む音を鳴らす。

ティールはすうーっと奥へ進むと立ち止まって二人を振り返る。

「……伝承の地、その民の血を受け継ぐ者よ……我について来るがいい……」

「…っ……」

ティールに真っ直ぐに見つめられ、ティムとマークは小さな体を緊張で強張らせていた……。

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